2013年2月9日土曜日

Tulsa









16歳の頃にアンフェタミンを打ち始めた。3年もの間、友だちと一緒に毎日打った。それから街を出たが、また戻ってきてしまった。一度針を刺してしまうと、それはもう抜けないのだ。

ラリー・クラーク(Larry Clark, 1943-)は独白に記されているような、タルサでの仲間たちとのドラッグ漬けの日々を撮影し、1963年、1968年、1971年の3つの時期に分けて写真集を構成しました。彼の写真は、ドラッグ、暴力、セックス、死にみちた若者たちの日常生活を当事者の視線で生々しく描き出しています。その多くは寝室やバスルーム、車の中など、屋内で撮影されていて、タルサという街の様子をつたえるものはほとんど写っていません。しかし、若者たちがリビングルームに集まってドラッグを注射している写真を見ると、マントルピースの上にイエス・キリストの肖像画が架けられていて、アメリカ内陸部のオクラホマ州の街タルサが、宗教的な保守層の強い地域であることをうかがわます。若者たちは、このような抑圧的な地域の風土に反発し、あるいは逃れるために、ドラッグにのめり込んでいったのかもしれません。



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